株式会社ESF

WORLD FOOD

2020.05.14

アーユルベーダが教える秘伝健康バター「घी(ギー)」の作り方

私は乳糖不耐症(牛乳に含まれる乳糖を消化できないため消化不良や下痢などが起きる)なので、乳製品を食べると辛いことになります。でも実は私はチーズや牛乳、特にバターが大好きなのです。そのため、乳糖不耐症であることがとても不思議でさらに辛く感じます。しかし、良いニュースがありました。  乳糖を含まないバター、それは「ギー」と呼ばれています。  ギーはバターの一種ですが、通常のバターより乳タンパク質の含有量が少なく、乳製品に身体が耐えられない人にとっては朗報です。普通のバターの代わりに使うことができます。ギーは料理にも大きな可能性を持つと期待されています。  ギーとは何ですか?  ギーは、インドを中心にアジア料理で伝統的に使われていた透明度の高い澄ましバターオイルです。ギーは、牛、水牛、ヤギなどの乳または普通のバターを煮詰めて作ります。バターは液体脂肪と乳固形分に分離し、分離された乳固形分を取り除いたものがギーです。したがってギーは、バターよりも乳糖が少なく、腐りにくく、常温でも長期保存が可能です。  インドでは、ギーは普通のバターとしてナンやチャパティなどに塗って使われる他、食用油としてもよく使用されています。  ギーは栄養価が高く、ビタミンA、K2、Eなどを多く含むため身体の抗酸化機能が活発化し、悪玉コレステロール値を下げたり、免疫系にとって重要な腸内環境を改善する働きがあることが証明されています。  心臓病や各種消化器系疾患の改善や予防などにも効果が見られ、古くからインドの伝統的なアーユルベーダに活用されていることでもよく知られています。火傷や発疹を治療する軟膏の基剤として産業化もされています。  近年では何かと敬遠されがちなバターや乳製品ですが、ギーのこれほどの効用は驚くべきものがあります。  ギーはどこで買えますか?  インターネットや一部のスーパーマーケットでも入手できます。たとえば、コストコやカルディ、成城石井などにあります。  自分でも作れます!  ギーの作り方  オーガニックの牧草で育った牛から採れた無塩バターを使用するのが最高です。最初の素材の品質が最も重要であることを忘れないでください。  小鍋に約1ポンドのバターを入れて弱火にかける。バターが溶けて煮立ってきたら、ギーが3層になっているのがわかります。  やがて上部に泡が形成され、水が蒸発する際に少しはねます。それをスプーンで丁寧にすくいとります。これを何度か繰り返し、上部の泡が透明に変わり、中層が半透明になると、鍋の底に固形泥がくっついているのが見えてきます。  25~30分後、火を止めて2~3分冷まし、ガラスの保存容器に濾して移せば、あなたのギーは出来上がりです。ギーは冷めると不透明で薄い黄色になります。 

2020.05.13

自然な美味しさ! ユニークな世界の五大原始料理

はるか昔、火を使うことを覚えた人類は料理することを覚え、さらに美味しく食べるための様々な工夫が始まり、それは現在に至るまで人類の果てしなき好奇心に彩られています。  ニュージーランド・マオリ族の「ハンギ」  ほとんどすべての大陸には、地中で料理する原始料理のスタイルがあります。このニュージーランド・マオリ族の「ハンギ」は、たくさんの石をたき火で熱しハンギという穴に敷き詰めます。そして、その上にバナナの葉で包んだ狩猟肉や野菜を置いて、その上を木や土で覆い、じっくり蒸らします。ワクワクしながら3時間ほど待つ時間はどんなに楽しい時間だったことでしょう。食べ物を掘り起こし、ほっこり蒸しあがった香ばしい「ハンギ」は、調味料などは一切使わずに本当に自然な食材の味が染み渡っています。こんな美味しい料理法を一体誰が最初に考え出したのでしょう。マオリ族といえばラグビー、オールブラックスが試合前に行う「ハカ」が有名ですよね。 2. ラテンアメリカの「セビーチェ」  「セビーチェ」はペルーの国民的料理であり、同時にラテンアメリカ諸国太平洋岸沿いの国々でとても人気がある伝統料理です。沿岸で獲れた新鮮な魚介類や野菜をレモン果汁でマリネして香辛料を加えるというシンプルな料理法は、実は太平洋の反対側サイパンの「クラエゲン」、トンガの「オタイカ」、フィリピンの「キニラウ」などに見られ、環太平洋料理とも言える壮大なスケールを感じさせる料理です。地元で採れた山の幸、海の幸が様々に盛り込まれた最高にバランスの良い料理とも言えるでしょう。 3. 中国発祥の「塩釜焼き」  2000年前の中国に登場する料理法で、海塩が豊富な日本にも伝わり発展しました。主に魚を、大量の塩を卵白で練り上げたものに包んで土中や土器の中のオーブン効果で焼き上げるこの料理法は、食材自身に含まれる蒸気で調理するため栄養分が全く逃げることがなく、周りの塩が熱や味を食材に均等に分散させるため実に美味でまろやかです。お客様の前で塩の殻を割って見せるドキドキ感いっぱいのパフォーマンスはテーブル・エンターテインメントの始まりだったのでしょうね。  4. フランス/スペインの「コンフィ」  コンフィは、ガチョウやアヒル、ブタなどの肉を長時間その油脂とともにコトコト煮て冷まし凝固した油脂の中でそのまま保存するという、元々は冷凍技術のない時代の保存法として重宝された料理です。同じような料理法がヨーロッパ、中東、北米などにもみられ、地方によって様々な発展をしています。  伝統的にフランス南西部ピレネー山脈近辺で発達したこの料理法は、ニンニクやハーブで塩漬けにした素材をコンフィにして保存しておけば、長く厳しい冬の期間でも美味しい肉料理を堪能できることから発展しました。同様に果物を砂糖漬けにしたものもコンフィと呼ばれます。  5. タイ/東南アジアの「カオラム」  名前は「カオラム」。竹筒料理は米や竹の生育するタイをはじめとする東南アジア地域の伝統料理法です。竹筒の中に餅米や黒豆などの具材、ヤシ砂糖(パームシュガー)とココナッツミルクを入れて、バナナの葉で包んで入れ、ヤシ殻の火で炊き上げるこの料理は何か何までまさに東南アジアの自然そのものです。餅米、ココナッツとヤシ砂糖のおかげで甘く粘りがあり、竹の風味も加わります。想像するだけで美味しそうですよね。 

2020.05.12

自宅にコーヒーショップを!

もうご存知の方も多いと思いますが、自宅で作る 「Dalgona Coffee」(ダルゴナ・コーヒー)が大旋風を巻き起こしています。自分で作ったダルゴナコーヒーのレシピや写真を共有するというSNS上での流行は、韓国の俳優、チョンイルによって命名された韓国発のトレンドですが、もともとは「BEATEN COFFEE」と呼ばれてすでに以前からあったものです。 コロナウイルス・パンデミックがもたらした外出規制の退屈な2ヶ月は、人々に、この新しい名前のコーヒーを、皮肉にも「バイラル効果」(ウイルスに感染するように爆発的な口コミ効果を得ること)で一気に有名にしてしまいました。多くの人がダルゴナコーヒーを綺麗に作ってSNSにアップします。今まではトレンドを先導して多くの人を集めていたおしゃれなコーヒーショップまでが、「ダルゴナ・コーヒー」に追随し始めました。 SNSのバイラル効果は、ウイルスの不気味な生態に似て、「相手が見えない」、「速く強い拡散力」を持っています。また、SNSでバイラルに広がった料理にはいくつかの特徴があります。「誰にでも味の想像ができる料理」、「考えられたネーミング」、「美しい写真」です。 実は、おばあちゃんの伝統的なレシピを現代風にアレンジし、素敵な名前を付け、綺麗に盛り付けて、全く新しい料理に生まれ変わらせ、価値ある料理として素敵なレストランでサービスするのはミシュランシェフの常套手段でした。そして、ミシュランガイドという権威が薦めるスターレストランにはお金持ちのみが行くことを許されていました。 しかし、ウイルスと同じく、SNSには、お金持ちも貧乏も関係なく、プロアマの垣根もなく、過去の価値観や権威というものを横目に、それが巻き起こす流行は爆発的で、消えて行くのも早く、姿を変えてはまた現れるということを繰り返しているようです。 さて、ダルゴナコーヒーのレシピをご紹介しましょう。 ダルゴナコーヒーの作り方は簡単です。インスタント・コーヒーの粉を入れて、お湯で溶かして砕いた砂糖を入れます。その後、泡立て器で混ぜるか、ミキサーがなければスプーンやフォークで混ぜる。フワフワになったら冷たい牛乳に入れて出来上がり! 作り方はビデオをご覧ください! (驚くなかれ、普通に600万ビューワーです。) 材料 インスタントコーヒーまたはエスプレッソパウダー大さじ2砂糖大さじ2熱湯大さじ2牛乳400ml 作り方 中くらいのボウルにインスタントコーヒー、砂糖、お湯を入れる。ハンドミキサーで軽く焦げ目がついてフワフワになり、ホイッパーをはずすと角が立つまで泡立てる。 牛乳を温め、耐熱ガラス2枚に分ける。スプーンで泡立てたコーヒー液をすくい、スプーンでなめらかにする。召し上がれ。 早速作ってみましょう!リモートワークのおかげで、自宅で過ごす多くの時間のうちのわずか3分で簡単にできて、お気に入りのカフェにいるような気分にしてくれます。 それでは良い一日を!

2020.05.11

カレーの話

「カレー」の名の由来 専門家によると、4,000年前にはすでに人類はスパイス料理を食べていたと考えられています。 カレーと言うとインドを思い浮かべるに違いありませんが、インドにカレーという料理は存在しません。そもそも広大なインドには一つの食文化というものは存在せず、それぞれの地域で異なる食材や調理法、料理名があり、独自のインド料理を生み出しているのです。 でも、どうしてカレーという名前がついたのでしょう? 語源には諸説ありますが、「カレー」の語源として最も有力なのは、スープのようなスパイスの効いたソースであるタミル語の「カリー」というのが定説になっています。そして、インドを植民地としていたイギリス人によりインド独特のスパイス料理が一緒くたにカレーとしてイギリスに紹介されたのが現在のカレーだということです。 イギリス初のカレーハウス このようにしてイギリスに渡ったカレーですが、1810年にはイギリスで最初のインド料理店がロンドンで開店しました。インド系移民で最も成功した起業家であり医師である、シェイク・ディン・ムハンマドが、ロンドン中心部にインド料理などを提供するヒンドゥースタンのコーヒーハウスとしてオープンしました。残念ながらこのレストランは間も無く財政難で閉店してしまいましたが、以降カレー文化がイギリス全域そして他のイギリス植民地などにも広がっていき、世界各地でそれぞれ独自の発展をしています。 カレーの本場イギリス イギリスに渡ってきたカレーは、インドでは絶対にありえない牛肉を使ったりと、インド料理とはかけ離れたものでした。でも今日カレー料理の中心地はインドではなくイギリスだと言っても、誰も反対はしないかもしれません。なぜなら、イギリスには1万軒近いカレーハウスがあり、ロンドンにはインドの大都市ムンバイを大きく凌ぐ数のカレーハウスがあるのです。総人口6000万人のうち2000万人以上のイギリス人はよくカレーを食べに行くと答えるでしょう。フィッシュ&チップスと並んでカレーはイギリスの国民食とも言えます。 日本人の国民食になったカレー 18世紀にはイギリス式のカレーが日本にも紹介されましたが、当初軍隊で採用されて普及したことはよく知られています。その後、古くから漢方薬としてスパイスも扱っていた浦上商店(現ハウス食品)がカレー粉、小麦粉、油、調味料などでカレーを調理して仕上げた固型のカレールーを発売すると、カレーは一気に家庭の食卓にのぼるようになり、日本の国民食と言われるまでに発展をしました。日本人のほとんどは子供の頃から慣れ親しんだカレーに恋しています。 イギリスではカレーはレストランで食べるものでほとんど家庭で作るということはしませんが、日本では主に家庭料理として普及しました。家庭でも簡単にカレー料理ができる日本式の固型カレールーは近年様々な種類が発売されとても人気になっており、世界の食卓へも浸透し始めています。ハウス食品傘下のカレーショップ「coco壱番屋」が世界ブランドとして展開しており、本場インドへの逆上陸を果たしたことも日本式カレーの人気を物語っています。 「Tikka Masala(ティッカマサラ)」の謎 イギリスで最も人気のあるカレー料理といえば、「ティッカマサラ」です。驚いたことにこの「ティッカマサラ」、インドからではなくイギリスのグラスゴーが発祥です。これは最近わかったことですが、パキスタン出身のシェフ、アリ・アーメド・アスラムが、グラスゴーにある彼のレストランで、ヨーグルト、クリーム、スパイスなどを混ぜて作ったソースを即興的に発案し、今日の人気料理を生み出したというのが真相です。2013年にアリの息子、アシフ・アリが父親の創作の話をBBCの料理番組 「Hairy Bikers」 で語るまで、イギリス人は「ティッカマサラ」をインドの伝統料理だと信じて疑っていませんでした、 世界一辛いカレー チキンナガは今までに作られた中で最も辛いカレー料理の一つとして有名です。この料理は、Scoville Scaleで855 000と測定される大量のナガ・ペッパーの種で作られています。しかし、今までで一番辛いカレーではありません。最も辛いカレーのタイトルは悪名高い 「炎のような熱いファイヤー・ファール」 に由来し、地球上で最も辛いトウガラシの2種、すなわちサソリとナガのトウガラシで作られている。パッケージにも、買い物客のための警告サインがいくつもあるほど暑い。まさに「とても、とても、とても暑い」です。Scorpion PepperはScoville Scaleで150万と評価されているが、これはまったくばかげている。 ギネスブック認定カレー 今やワールドクラスの料理となったカレーですが、ギネス・ワールド・レコーズによると、これまで作られたカレーの中で最大のものはシンガポールで調理されたものだそうです。アジア中のシェフが料理をするために集まるこのイベントは4日間続く毎年恒例の料理イベントとなっています。なんと1トントラックが15台連なる量のカレー、まるでカレー・プールですね。何人の人がこの料理に招かれたのかは不明ですが、平均的なカレー一人分が200g前後として計算しても7万5千食、おそらく満員の東京ドームの人々が一斉に食べてもまだ余る数字ですね。 カレーにつきもののナンでは、世界最大のものがカナダのトロントで焼き上げられ記録を作りました。長さ5 …

2020.03.03

パイナップルの廃棄物から作られる、美しく持続可能な「革」

Article by Akiho Ishikawa 将来のハンドバッグは、牛や石油ではなく、果物で作られるようになるだろう。 革の専門家であるカルメン・ヒジョサがフィリピンの皮革産業に相談に行ったところ、2つの大きな問題が見つかりました。皮革の品質が悪いことと、皮革を生産することが地元の環境と関係者の両方にとって悪いことです。 しかし、彼女は国中を旅しているうちにひらめきを得た。フィリピンではたくさんのパイナップルが栽培されているが、最終的にはたくさんのパイナップルの葉が無駄になる。葉には、植物をベースにした革の代替品になるかもしれない特徴があることに彼女は気づいた。 「とてもいいですよ。」とヒジョサさんは言う。「それは非常に良い強度と柔軟性を持っており、不織布基板を作るために本当に必要なものです。」彼女はまた、バナナ繊維やサイザルなど他の地元の植物も調べた。しかし、パイナップル繊維だけは、彼女が考えていた製造工程を処理するのに十分な強度と柔軟性があった。 伝統的な皮革産業での仕事を辞めたヒジョサ氏は、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートでその後の七年間を過ごし、材料を特許製品にまで発展させ、その間に博士号を取得した。現在は63歳のスタートアップを経営し、パイナテックスと呼ばれる自身のパイナップルをベースにした皮革の製造に乗り出している。 「革」は動物に害を与えませんが、本物の革や他の合成皮革と比較して、環境にも明らかな利点があります。「これは農業の副産物から作られたもので、つまり全体的な廃棄物です。」と彼女は言う。「これは本当に、繊維であるピニャテックスを得るためには、土地、水、農薬、肥料…を使う必要がないということを意味しています。私たちは実際に廃棄物を取り出し、 「スケールアップ」 しています。つまり、付加価値を与えているということです。」 動物を原料とした皮革の製造には、ホルムアルデヒドのような有害化学物質やクロムのような重金属が含まれているのが一般的であり、これらはすべて排水中に出ると問題を引き起こす可能性がある。肉と同じように、皮革も大量の飼料を必要とする動物から得られるため、炭素排出量も大きい。フェイクレザーは通常石油から作られ、それ自体に加工上の問題がある。 通常、パイナップルの葉は廃棄されるため、革にすることは農家にとって余分な収入源となる。葉を加工し、長い繊維を分離した後、農家はパイナップル畑で肥料として使えるバイオマスを手に入れる。 ヒジョサさんは地元の工場と協力して生産を始めました。「私たちはサプライチェーンを開発しています。これが複雑で興味深いプロセスである理由です。」と彼女は言う。工場では、この素材をロール状にして、靴やハンドバッグ、自動車や飛行機の座席など、通常は本物の革でできているものに使うことができる。 プラスチックベースの合成皮革は、石油が非常に安いため、今でも人気があります。しかしヒジョサ氏は、消費者が物の出所に関心を持つようになってきたことで、状況は変わり始めていると考えている。 「ファスト・ファッション・ブランドの成功に牽引される急速に進化するファッション業界の中で、生産は加速し続け、品質よりも量を優先する。」と彼女は言う。「しかし、トレンド分析は、顧客の考え方の変化を示す傾向がある人々は、私たちが着る服が誰で、どのように、どこで、いつ作られるかにより多くの注意を払う。」 彼女のスタートアップであるAnanas Anam「アナナス・アナム」は、500メートルから2,000メートルまでの生産を構築しており、三ヶ月後には次のバッチは約8,000メートルになると予想している。しかし、同社の生産能力が拡大するにつれて、需要はすでに供給を上回っている。Puma「プーマ」やCamper「キャンパー」のような企業がこの素材を使ってプロトタイプを作っており、他の企業もすでに使っている。 「多国籍企業から専門店、アーリーアダプター、皮革に代わるものを探している完全菜食主義の企業に至るまで、市場のあらゆるレベルから常に需要があるため、適切な時期に適切な製品であると思われます。」と彼女は言う。「市場に参入し始めています。」

2019.06.17

「アルバニア料理」

料理の原点、友と一緒に楽しく食べる健康的な食事 文 / Ina Lulaj (イナ・ルライ)フォトクレジット / Revista Shije ATA, GOV Albania 「アルバニア」ってどこ?これは私がいつも受ける最初の質問です。アルバニアはヨーロッパで最も「未知」な国のひとつと言えるでしょう。その位置と形を正確に言い当てることができる人は全く稀です。面積は北海道の約1/3、人口は茨城県とほぼ同じ。バルカン半島の南西部に位置し、アドリア海からイオニア海に続く美しい海岸線を持ちます。オスマン帝国時代が長かった歴史的な経緯からイスラム教徒が国民の大半を占めるヨーロッパでは珍しいイスラム協力機構加盟国です。2014年からユーロ加盟候補国となっています。 アルバニア料理は、「健康」と「ホスピタリティー」という2つの言葉で表現することができます。地中海性気候の中で育まれたバラエティ豊かな自然食材にめぐまれ、100%健康食生活を満喫することができます。オリーブオイルは、アルバニアでは古くローマ時代から最も人気のある食材として多くの料理に使われます。 また、アルバニア人は純朴で、友人や遠来の客を大切にし、自宅に迎え入れ歓迎することが大好きです。私たちの食事といえば皆で食物をシェアすることで、これはアルバニア食文化の非常に特徴的な側面です。日本には「おもてなし」という素晴らしい言葉がありますが、私たちには「Besa(ベザ)」という言葉があり、これは「お客様に対して最高の敬意を込めてお世話することは私たちのおきてだ」といった意味です。 TAVE KOSI (タヴェ・コジ)(ヨーグルトと子羊のキャセロール) エルバサンは、民族博物館、戦争博物館、クリストファー・クリストフォロディ(有名なアルバニア人作家)を展示した博物館、最初の学校「シュコラ・ノルマル」など18世紀の建造物がある古い街並みで有名です。 「ディタ・エ・ヴェレズ」と呼ばれるアルバニア最大の夏のお祭りも、エルバサンで開催されます。この日は国民の休日となっており、バターとコーンフラワーでできたクッキー「バイオクメ」を食べるのが風習です。 エルバサンで最も有名な料理が「Tave Kosi(タヴェ・コジ)」です。ご飯とヨーグルトと卵を混ぜ合わせて作られるラム料理で、土鍋で作ったムサカのような料理です。アルバニアではヨーグルトは皆自分の家で作ります。ヨーロッパ各地で数々の賞を受賞したナイミ・バシュミリが、「Tave Kosi(タヴェ・コジ)」の作り方を伝授します。 TAVE KOSI (タヴェ・コジ)<材料> ラムショルダー ヨーグルト …

2019.06.14

ギリシャ・ヒオス島、神秘の樹脂「マスティハ」

古代ギリシャ時代からその薬効が珍重されてきたマスティハ。ヒオス島にしか生息しないマスティハの木から出る樹脂が今改めて世界の注目。 現地取材:根本千代子 経済不況のイメージが強いギリシャであるが、唯一不況の影響を受けない元気のいい島がある。ギリシャの東の国境沿いに位置する島、ヒオス島である。 隣国トルコまでは、美しいエーゲ海を隔てることわずかに7㎞。港からはトルコ側の建物を眺められるほどの近さだ。他のエーゲ海の島々同様、観光にも推したい島であるが、取材した島の方々は口を揃える。 「ヒオス島にはマスティハがあるから、観光に頼らなくていいんです」 そう、マスティハというのが、ヒオス島の宝、今回紹介したい素材である。 メスタ村。現在、ヒオス島南部の24の村でマスティハが生産されている。古代からマスティハは外敵の危険にさらされてきたため、村は城砦に囲まれ、内部の道は細く迷路のよう ヒポクラテスも称賛した薬効 マスティハは、ウルシ科の樹木「ピスタチア・レンティスカス」から採取される樹脂である。木自体は地中海全域に自生しているが、不思議なことに樹脂が採取できるのはヒオス島の、しかも南部に生息する木だけという。ヒオス島の特殊な「微気候」、数世紀に渡る体系的な「優性保護」、さらには栽培を体系化し、製品を規格化、製品価値を生み出し、市場を確立した古代ヒオス人の優れた管理能力がその理由とされているが、その神秘性はまだ完全には解明されていない。 古代から薬効が広く知られており、紀元前5世紀にヒポクラテスが消化と口臭に対する薬効性を説いたものが、確認されている最古の記録となっている。 現在では、古代からの言い伝えを科学的に証明する研究が進み、胃の疾患、特にピロリ菌への有効性が多く発表されている。また、古代より口腔衛生に優れていることで知られており、口臭予防や歯周病に優れた効果を持つ。 1997年、PDOに登録 樹脂の採取は、7月から9月に行われる。木の幹や枝に特殊な器具で切れ込みを入れると、透明で涙のような形に樹液がにじみ出る。樹液は、きれいに掃除され、白いアスプロホマと呼ばれるカルシウムを含んだ粉末状の陶土をまいた上に落ち、そこで自然に乾燥させた後に集められる。 集められたマスティハの結晶は、まず生産者の手で仕分けされ、その後ヒオス・マスティハ生産業者組合に持ち込まれ、さらに機械や人間の手で汚れの除去などの洗浄を重ね、加工へと流れる。 ヒオス・マスティハ生産業者組合では、きれいに洗浄されたマスティハを結晶、パウダー、カプセル、オイル、チューインガムなどに加工して販売している。結晶、オイル、チューインガムは、1997年にPDOに登録され、マスティハは、今年2月に日本とEUでスタートした地理的表示(GI)によって保護されている。 マスティハの結晶。木の根元の方が大きな結晶となるが、サイズによる品質や効能の差はない 機能性が認められ、80カ国に輸出 マスティハの結晶は、薄いレモンイエローをしており、独特の甘い香りがする。見た目は氷砂糖に似ているが、味はうっすらと苦みがあり、噛むとまさしくガム。 原料として使用する場合は、この結晶をつぶして粒子にして使用する。現在は、調理用にパウダーも商品化し、結晶とともに各国に輸出している。現在、その輸出先は80カ国に及ぶ。 ヒオス・マスティハ生産業者組合は、マスティハを機能性食品として日本市場に紹介したい考えだ。 現在マスティハは、パン、チョコレートなどの菓子類、アルコール飲料などに多く使われている。 ヒオス島で訪れたレストランでは、あらゆる料理にマスティハが使われていたが、料理には調味料としてパウダーを、香りづけにオイルを使う方法が多い。バーでは、マスティハの香りを楽しめるよう、赤ワインやカクテルにオイルが使われていた。 マスティハは、アロマによる癒しの効果以外に、消化器官への効能が多数報告されている。当然ながら、食べ過ぎ、飲み過ぎによる胃腸の不調も改善してくれる。 ギリシャで食事をすると、日本人の胃では太刀打ちできないほどの量が供される。それでも今回しっかり食事ができたのは、マスティハのおかげだろう。 ヒオス島産マスティハの治療効果と有益性 ヒオス島産マスティハに認められている効果・抗菌/抗微生物作用・抗炎症作用・抗酸化作用 人の身体に及ぼすプラスの効果・胃腸系の衛生状態・消化器系の不調(潰瘍や消化不良)の予防および治療・脂質およびブドウ糖の代謝におけるプラスの効果・複数種の腫瘍に対する抗ガン作用・口腔衛生全般(プラーク形成の減少、口腔内のバクテリア細菌増殖の抑制、歯茎の強化)・創傷の治療や皮膚の再生(傷や火傷の治療 ※ギリシャ古来のスーパーフード「ヒオス島産マスティハ」 …